只見線地域コーディネーターの活動日誌

2021-07-15 イベント

会津鉄道の車両が只見線にやってきた

こんにちは、只見線地域コーディネーターの酒井です。今奥会津は梅雨の真っただ中で、毎日雨が降っては止み、を繰り返しています。西日本では、集中的な大雨が続いていて、ニュースをみて心配している方も多いと思います。夏になると、数十年に一度の大雨、が毎年のように心配されることが年々増えてきましたね。

さて、昨日7月10日は、会津鉄道で活躍している「お座トロ展望列車」が只見線に乗り入れる、という歴史的なイベントがありました。

お座トロ列車 展望車
西若松駅に入線してきたお座トロ列車
ブナの葉っぱのデザイン
只見線の象徴として 奥会津の自然を代表するブナの葉っぱのデザイン
車両側面のデザイン
会津木綿の色合いをうまくカラーリングした車両側面

私は案内役として参加したので、お客様より一足先に西若松駅から乗り込みました。図面で見ていたよりもずっと車両のカラーが強く、おおーと思わず声をあげてしまいました。新しい車両みたいにピカピカ。

お座トロ列車の正面
こちらがお座トロ列車側の正面 会津川口駅にてかぼまると

会津若松駅までは回送のため、あっという間に会津若松のおそらく3番ホームに到着。するとホームにはたくさんのお出迎えの方々が入線を待ってくれていました。入線後すぐに出発式典がはじまりました。

会津鉄道アテンダントさんからJR東日本運転士、車掌に花束贈呈
アテンダントさんから運転士さん、車掌さんに花束の贈呈
テープカット
右からJR東日本会津若松駅長、三島町長、福島県生活環境部長、会津鉄道社長によるテープカット
沿線自治体や関係者の方々によるくす玉開花!

会津鉄道の車両ですが、只見線を走ることから運転士、車掌さんはJR東日本、アテンダントや車内でのお客さまのご案内は会津鉄道さん。2つの会津の鉄道会社さんが一緒に列車を運行するまでには、お互いにいろいろとご苦労があったことと思います。会津鉄道のアテンダントさんからは「社内では皆楽しそうに毎日この日のために準備していた」と聞いて、会津鉄道さんの車内のあたたかな職場を想像してしまいました。とっても楽しそう。

会津鉄道石田さんによる案内
会津鉄道添乗員石田さんによる今回の企画説明

 列車は会津若松から会津川口へ向けて出発。会津鉄道の車両の新たなラッピングとなったお座トロ列車が、奥会津へと向かいます。

お座トロ列車の車内
お座トロ列車内は窓がなく、景色が一望できる

 今回の列車は二両編成で、一両はお座トロ列車、そして一両は展望車でお座敷になっています。展望席もあり、展望席は誰でも利用することができるようになっていました。展望車側は窓がありエアコンも入っているため、暑い日でも快適に過ごすことができるようになっています。

先頭に立つ会津鉄道社員さん
鉄道マンらしく、進行方向の線路を見つめる会津鉄道の渡部さん、終点までずっと見ていました
只見線応援団つなぎ隊隊長
只見線応援団つなぎ隊 加藤夕子隊長によるアナウンス
自称日本一小さい商店街を盛り上げる
参加者限定の特別なプレゼント 金山町のおもてなし

車内では、会津鉄道と只見線の関連グッズの販売や、車内アナウンスによる見所の紹介など、初めて只見線に乗る方も、何度も乗ったことがある方にも改めて魅力が伝わるようにご案内をしていただきました。なかでも、只見線応援団つなぎ隊と金山町商工会さん、金山町只見線のりのり倶楽部さんの協力により、「自称日本一小さい商店街」として、金山町の会津川口駅と会津中川駅周辺のお店で使えるお得なクーポンが配布されました。このクーポンを使って金山町を少しでも知ってもらい、美味しいものや素敵なお土産を買ってもらえるように工夫されていました。会津川口駅に到着後、お客様にお聞きすると皆さん「使ったよ~」「エゴマドレッシング買ってきたよ」「ソフトクリーム食べたよ」などと皆さん色々お店をまわってこられた様子でした。ありがとうございます。

いつも只見線に乗っている 大越さんの名物ガイド

今回車内でみどころを事細かく紹介し、時折誰も知らないような豊富な知識を披露してくれた大越さん。いつも只見線に乗っていて、私が車内販売するときには、お客様に商品を紹介したり、鉄道知識を紹介してお客様を楽しませてくれていますが、今回も大活躍でした。私も案内役として乗車していますが、正直大越さんの知識と経験にはかないません。只見線で見かけたときは、ぜひ声をかけてみてください。

久々登場!あわまんじゅうマン
会津柳津駅に参上!やないづ町人あわまんじゅうマン

そして、会津柳津駅に到着すると、あわまんじゅうマンの姿が!コロナ禍でなかなか活動が思うようにできない日々で、今回は久しぶりに登場してくれました。あわまんじゅうマンは会津柳津駅の他、町内でも活動していて、希望のカケラ拾いと称して町内の美化活動も行っています。(この姿を町中で見かけたら、その日はとてもいいことがあるとか)柳津町からのあわまんじゅうのふるまいがあったからか、あわまんじゅうマンが登場したからか、その後、車内販売での只見線限定商品「町内四店舗あわまんじゅう食べ比べセット」は25セットの売り上げがありました!ありがとう!あわまんじゅうマン。

川霧大放出
この日は川霧大発生の1日でした 金山町大志集落を車内から望む

あっという間の2時間、会津川口駅に到着。この日は奥会津のあらゆるポイントで川霧が見られ、お客様も大興奮。大雨に降られることもなく、とてもいい景色を見ていただくことができました。

アテンダントの皆さんと
会津鉄道アテンダントの小林さんと小島さん リピーターのお客様のお名前も完全網羅
帰りの出発前に、会津鉄道の社員の皆さんと展望車と一緒に集合写真

 通常、こうした特別列車の場合、添乗員さんやスタッフさんは、休憩をしっかりとってから、仕事を再開するのですが、会津鉄道の皆さんは、休憩の間もみなさんで和気あいあいと会津川口駅内で話していて、素敵な仲間がいる会社なんだな、と改めて感じました。会津鉄道の景色との比較、只見線の魅力を私に教えてくれたり、グッズ販売のことや案内についても勉強させていただきました。

トロッコのシート
今回のラッピング新装に合わせてシートも全面張替え。真新しくなりました。
車内でハガキも出せる
ポストカードも切手もあるので、書いたらすぐ投函できる
記念に1枚
投函記念に撮影していただきました

知っているようで知らない会津鉄道のこと。今回一緒に乗り込みしたことで、列車のラッピングを新しくするだけでなく、会津鉄道でも只見線でも新たな観光列車として活用していくために、列車内だからこそできること、列車内でもできることなど取り組みを整理して、お客様に分かりやすく、楽しんでもらうことを皆で考え、仕事という枠だけでは決して見えない、楽しむこと、楽しませることの大切さを思い出させてもらえた1日でした。

 今回の只見線乗り入れの翌日から、お座トロ展望列車は会津鉄道での運用もスタートしました。次回はぜひ、会津鉄道でこの列車を楽しみたいと思います。今回の企画は秋以降の調整を行っているとのことで、また只見線で走る日もありそうなので、皆さんもぜひ、楽しみにしていてくださいね。

 会津鉄道株式会社さま、JR東日本仙台支社さま、福島県只見線再開準備室の皆さん、そして参加してくださった皆さんと沿道で手をふったり写真を撮ってくださった皆さん、ありがとうございました。

会津鉄道本社
帰りを待って、手をふってくれた会津鉄道の社員の皆さん

■会津鉄道のホームページ

お座トロ展望列車の旅 【旧車両の写真になっていますが、現在は新車両で運行しています】

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