只見線物語

  • 全国屈指の秘境路線
    JR只見線は、福島県の会津若松駅と新潟県の小出駅を結ぶ全長約135kmの路線です。昭和48年に只見線と並行する国道252号が開通しましたが、沿線周辺は国内有数の豪雪地帯。冬期間は、福島・新潟県境(六十里越)が通行止めとなるため、只見線は地域にとって大切な交通機関として、その役割を担ってきました。
  • 心を鷲づかみにされるほどの 圧倒的な風景
    只見川に沿ってゆっくりと走る只見線の魅力は、何と言っても沿線を流れる只見川や雄大な山々が四季を通して織り成す絶景です。いくつもの鉄橋とトンネルを抜けて奥会津へと進む車窓からの風景。その中を懸命に走る列車。心を鷲づかみにされるほどの圧倒的な風景を撮影しようと国内外からたくさんのカメラマンが訪れ、全国紙の「紅葉の美しい鉄道路線ベストテン」で第1位に選ばれたことも。
  • 懐かしさと憧憬の念を込めて ロマンチック鉄道
    只見線の中でも特に人気が高いのが、第一只見川橋梁です。大渓谷、鉄橋と列車、川面をどんなバランスで撮るか…カメラマンでなくてもチャレンジしたくなります。幻想的な川霧が発生するという第三只見川橋梁も見逃したくないフォトジェニックスポットです。色鮮やかに、大自然が衣替えする秋を満喫したら、しんしんと雪が降り積もり、白銀の世界に包まれる冬、待ちわびた季節を謳歌する花々が渓谷をパステルカラーに染める春、やわらかな新緑、畑も森も清々しい緑に染まる夏。只見線には四季折々の魅力があります。
  • また、沿線には美しい自然だけではなく、独自に育まれてきた地域文化があり、伝説や昔話が日々の暮らしに溶け込むノスタルジックな風景に身をゆだねられることも楽しみの一つです。山村の歴史、食文化、緻密な手仕事を伝え、人々の出会いと別れを今も見守り続ける只見線。只見線にはこうした小さな感動がいくつも散りばめられています。
  • 東日本大震災の発災と 新潟・福島豪雨による被災
    2011年3月11日、東日本大震災とそれに伴う原発事故により、福島県はこれまで経験したことのない甚大な被害を被りました。こうした中で、さらに追い打ちをかけるように2011年7月に新潟・福島豪雨が発生し、只見線は鉄橋の流出や土砂崩れによる線路の崩壊など、甚大な被害を受けました。特に会津川口・只見駅間は被害が大きく、只見川に架かる第5、第6、第7の橋りょうが流出したほか、第8只見川橋りょう付近でも盛土の崩壊などが起きました。災害後、JR東日本の懸命な復旧作業により、只見線の大部分で運行が再開されましたが、被害が特に大きかった会津川口・只見駅間は2022年9月30日まで、バスによる代行輸送が続きました。
  • 只見線の復旧と利活用
    只見線を復旧したいという地元の強い思いが実を結び、ついに2017年6月、只見線の復旧が決定しました。そして2018年6月、金山町で復旧工事の起工式が執り行われ、被災から11年2か月となった2022年10月1日に全線で運転が再開されました。これからは、只見線の利活用が特に大切です。運行再開後も、皆さまがもっと只見線に乗って楽しんでいただけるよう、地域が一体となって利活用にも取り組んでいます。